ソーメン/最初の闘争

暑いと食欲が減退し、何より飯作るのが億劫になる。

だから、ソーメンや冷麦に逃げることになる。これは勇気ある撤退である。

市販のつゆやかけるだけ具材買ってくれば、やることは茹でるだけ。この簡素化は人類の英知の賜物だと信じて疑わない。

だったらハナから、出来合いの弁当でも買ってくればまっと早いがやという意見もあるが、家で飯食う際は必ず一手間加えるのが俺の誇りとダンディズムである。

真夏日の昼頃から既に倦怠感は頂点に達し、しゃ〜ね〜今晩は買い置きのソーメンにしようと、意識と腹具合をソーメン仕様にセッティングしておく。

ところが、どんな幼児記憶が作用しているのか知らないが、ソーメン食う時には無性に唐揚げが欲しくなるのだ、俺わ。

理由などないさ、ただ欲しいだけ。

ここで、粘着質な俺の性格がちょいとごめんよと顔を出す。

一旦、欲しいと思ったら止められないのが、青春の情熱と俺の唐揚げである。

即座にスーパーまで鶏肉を中心とした必要材料の買出しに出かける。

ここで、貧乏性な俺の性質がいよっ、ちょっくら邪魔するぜと登場する。

折角、揚げ物で油とか使うのに、唐揚げだけってことはないだろう。という具合に思考回路は働くのだ。

一緒に、トンカツとハムカツを作ることにした。

もちろん、肉買って切って叩いて粉付けて揚げる。出来合いの冷凍食品は、俺のプライドが許してはくれない。一人で食いきれないこともわかっちゃいるけれど、そんなんかんけ〜ね〜。

結局、後片付けも含めてどえらい大事業になってしまう。発端のもちべえしょんは楽したいだった。

数時間前の俺が現れて、呆れたように言うだろう。

おみゃぁ、アホか

男心と山の天気は、刻と変化するものだ。